2009年6月22日 (月)

会計制度の変更や会計処理方法の変更には要注意?

『会社四季報CD‐ROM』編集部です。

私は発売前の検証で、よく新日鉄のデータを使ってデータをチェックしています。
2009年3集の検証の時にも、新日鉄の決算短信を横においてチェックしていたのですが、気になる記載を見つけました。

それは決算短信18ページ目の

①会計基準等の改正に伴う変更
1) 通常の販売目的で保有するたな卸資産については、従来、主として総平均法による原価法によっていたが、当連結会計年度より「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号)が適用されたことに伴い、主として総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により算定している。
この変更に伴い、当連結会計年度の売上総利益及び営業利益は55,432百万円、経常利益及び税金等調整前当期純利益は57,500百万円、それぞれ減少している。

②①以外の変更
在外子会社等の収益及び費用の本邦通貨への換算基準については、従来、連結決算日の直物為替相場により円貨換算していたが、当連結会計年度より期中平均相場による換算に変更している。この変更は、在外子会社等の重要性が増加したことに伴い、収益及び費用の各項目をより適正に表示するために行ったものである。
この変更に伴い、当連結会計年度の売上高は36,524百万円、売上総利益は10,010百万円、営業利益は8,666百万円、経常利益及び税金等調整前当期純利益は26,292百万円、それぞれ増加している。

③追加情報
当社及び国内連結子会社は、法人税法の改正に伴い、当連結会計年度より有形固定資産の耐用年数を変更している。
この変更に伴い、従来の方法に比し、当連結会計年度の減価償却費は12,044百万円増加し、売上総利益は11,163百万円、営業利益は11,192百万円、経常利益及び税金等調整前当期純利益は11,802百万円、それぞれ減少している。

という記載です。
新日鉄の場合、2009年3月期の経常利益は336,140百万円ですから、影響は大きいです。
試しに、上記処理をしなかった場合の経常利益を計算すると、379,150百万円となり約13%も経常利益が増加します。決算短信一面では経常利益は前期比で-40.4%とありますが、変更しなかった場合の金額で計算すると-32.8%となります。
大幅減益ということは変わりませんが、8%も差があります。

このように会計制度や会計処理の変更で財務データは過去と比較しにくい場合があります(最近では会計ビックバンや純資産の部の導入が一番影響するでしょう)。
『会社四季報CD‐ROM』は過去データも豊富に収録されていますが、このあたりは注意が必要です。
とはいいましても、影響を調整した数値で分析している人が少ないのであれば気にしなくてもよいのかもしれませんが...。

(編集部O)

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